ある朝,敷地から猫の声がした。
声の主を探ると,可愛い白っぽい子猫。寒い朝に小さい声で鳴いている。特に逃げるわけでもなく,前足が寒いのか,地面に足をつけたり離したりしている。あんまりかわいいので無駄にニャーニャー言いながら猫のふりしたつもりになってしゃがみこんで一歩ずつ前進。
ようやく撫でられそうに思ったら後ろから声が。
「おーお前はどこの子じゃ。可愛い子じゃのう。」と,これまたどうも猫好きらしい警備員のおじさん。どうも敷地に3匹ほど他にも猫がいるらしいことを教えてもらい,人前で猫にじゃれるのは恥ずかしいので退散。
夕方帰り道にも発見。食べ物を持っておらず,翌日は絶対食べ物を持っていこうと決意。
あさ,ドーナツ抱えて行った。魚肉ソーセージとかにしようと思ったのだが,いなかったときに困ると思ってドーナツ買ったのだが,魚肉ソーセージにすればよかったかなとか,散々悩んでドーナツ。
しかしいない。帰り道もいない。
たった一日の甘酸っぱい恋。
1週間ほどして,鶏のコッコちゃんと戯れているところを警備員のおじさんに再び発見された。
そしておじさんが教えてくれた。「あの子猫は貰われていったよ。仙台に嫁入りしたよ。」
「えー!」と叫んでしまった。仙台まで会いにいけないよ。
本当なら,寒い中外で過ごすよりも誰かの家で暖かく過ごしたほうがいいに決まっている。
わかっているんだけど,もう一回会いたかったな。もうちょっと仲良くなりたかったな。
カバンに入れてつれて帰っちゃえばよかった。
なんていいながら,敷地に見つけたもう一匹の黒猫を走って追っかけまわしてる。奴は見た瞬間に逃げていく。
そんなこんなで猫に恋する5秒前。
1 件のコメント:
子猫の可愛い声に逆らえないね。
写真は撮った?♪
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