もうそろそろ桜の葉が落ちる。
そして来年の春になって,花が咲く。
花が散って,葉桜になって。
そして,なんの気なしに桜並木の下を通って,セミの抜け殻を探す。
毎年毎年。
いつもどおり葉桜になった桜の木の下で。
だけれども,葉の付き方はいつも違う。色も,何もかも。日によっても違う。
それなのに,いつもどおりだと思っている。
毎日通っている道だけれども,それはその日通った道ではなくて,ずっとずっと前に通った道だ。
いや,もっとひどい。
僕は今年,その桜並木を通っていない。
なんてことだ。
世界ってこういうことだったのか。
僕が今の現実を生きているなんて大間違いだ。
大部分が過去だ。
僕が未来だと思っているのは,過去に僕が思い描いた未来だ。
と,僕がずっと住んでいた部屋で,過去の僕が語りかけている。
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