2010/12/12

ウズベキスタンと韓国で考えたこと

なぜ旅に出たのか。
あるとき読んだ勇気付けられる言葉の中に「旅に出ろ」とあったから。後ろ向きになっていたときに読んで元気が出た,HOLSTEEのマニフェストに,書いてあった。その言葉に出会ってから,他のコラムなどを読んでいても,旅行で学ぶことがたくさんあるように思えていた。
一人旅はなかなか大変だけれど,大学時代の信頼できて楽しい友人達が一緒に行ってくれるみたいだったし,暫く長い休みなんて取れそうになさそうだから,いい思い出になるかもしれないと思って。

ウズベキスタンは,旧ソ連圏で,実を言うと,行くといったときには場所も知らなかった。危ないんじゃないのといわれて,ウズベキスタンでテロなんて聞いたことがないけどなあと思って,地図を見て初めて,あのアラル海のすぐそばだとわかったくらいだ。砂漠だ。きっと冬は寒いに違いない。そう思ってヒートテックで重装備。
ところが,行ってみると東京よりも暖かい。皆親切で,時間を守るし,ぼったくりもなかった。そして,柔軟。観光客にも普通に話しかけてきて,物を売るわけでもない。食べ物も,中華と欧州料理の中間くらいで食べやすい。脂っこいといわれていたけれど,僕はおいしくて何日続いても大丈夫そうだった。おなかも壊さなかったし。僕はといえば,ウズベキスタン仕様と思って,ひげを伸ばしたため,何人かわからなくなってしまったらしく,あちこちでいじられました。

遺跡がたくさんあって,青系のタイルが張り詰められていて,青い城が大きな空に浮き立っている。まるでラピュタのように。東京と違って空が広い。だから,天空の都市のよう。だけど,その一方で,半分砂に埋まっているようなところもあって,ローラン王国みたいな,幻の都市っぽさも漂っていたりして。朝夕はひんやり冷えるから,そのまま消えてしまいそうな感じがした。

一人の時間も結構あったから,のんびりいろいろ考えた。今までのたびの中で一番リラックスしたかもしれない。ひょっとしたらその分周りに気を遣わせてしまったかもしれないけれど,許してもらえるかな。

何を考えたか。
もう忘れた。そんなものか。
旅にいるときにしか感じられないたくさんのこと。それを全てメモしておけばよかったと思うけれど,言葉にすると失われてしまう。気持ちのいい空気を吸って,そして吐き出す。そんな感じに,流れ出ていってしまうものなのだろう。体にしみこませて,頭ではなくて体に覚えさせて,頭からは消えさせる。
旅から帰ってきてすぐ書けばもっと思い出せたかもしれない。ちょっと残念だけれど,あの時は,余韻に浸ってしまった。


韓国は寒かった。
日本とインフラが似ていて,海外旅行の気分があまりしなかった。もちろん,もっと大きな要因は友人のコーディネートが素晴らしかったからなのだけれど。
日本では,反韓的な報道をされることもあるから,僕はそんなことはありえないと思っていたけれど,それでもやはりバイアスがかかっていたらしい。韓国の人たちの自信や,ちょっとした優しさ,人とのつながりを大事にするのは少し前の日本のいいところがあるみたいな,ちょっとした年寄りの若者に対する嫉妬心のようなものを感じてしまった。


これから何が待っているかわからないけれど,よかったな。

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