2012/03/13

ナンバ歩き

鞄を片手に歩いていると,時々「足引きずってない?大丈夫?」と言われることがある。
自分では足を引きずっているつもりなど毛頭ないのであるが,片手に鞄を持つからバランス悪くなりそのように見えるのだと思っていた。

ところが今日,鞄を持って「うー寒,うー寒」とつぶやきながら歩いていると,いつの間にやらナンバ歩きになっていることに気づいた。
ナンバ歩きというのは,同じ側の手と足が同時に出る歩き方。つまり右手右足が同時に出て,次に左手左足が同時に出る歩き方。普通は右手左足,左手右足が同時に出ているわけだが,相撲取りとか,侍なんかがやっていた歩き方なのである。ひょっとしたら古武道にはまっていた桑田真澄もナンバ歩きだったかもしれない。動物で言えば,ラクダの歩き方であって,馬の歩き方ではないのである。ちなみに,日本人の歩き方がナンバ歩きではなくなったのは明治時代の軍隊のせいだとかおかげだとか誰かから聞いたことがある。つまりは明治を挟んで歩き方がラクダから馬になったわけである。

とにもかくにも,右手右足が同時に出ると,ユラユラ揺れながら歩くことになるわけで,これで足を引きずって見えたのではないかと思った。などと思いながら歩いていたら,妙に気になってしまってナンバ歩きができなくなった後,今度は普通の歩き方までできなくなってしまったのである。むむむ。右,左,とつぶやきながら歩いて帰ってきたわけだが,這って帰らなかっただけ邯鄲の歩みのよりはましだ。しかし,いくら美しい歩き方ができなかったからと言って,普通の歩き方を忘れてしまって這ってきたというのは誇張にしすぎだと思っていたのだが,あながち嘘ではないかもしれないと思い直した。

0 件のコメント: