夜になると奴がやってくる。
どこからともなく。
気がつかないふりをしていても。
まぶたを上にそっと重しを置いていく。
知らないうちに,パソコンの画面に「ああああああああああああああああああああああああ」と入力していく。あるいは,嫌がらせのように改行を入れていく。
ああ,久しぶりに会えた。
僕の腕に,肩に,まぶたにのしかかって,僕の頭の中から理性やら集中力やら全てを奪いとって,重力や常識や不安やら何やら全てから解放してくれる,睡魔。こんにちは。
君に逢いたくて僕は努力をしていたわけではないんだ。だけれども,僕がやっていたことは全て君に逢うためにやっていたのかもしれない。それくらい,今となっては全てが君につながっているように思えてくるよ。
全てのことをそっちのけで,やりかけのことも,やらなければいけないことも全て放り出して。
俺は寝るぞ。
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