2010/07/27

人間やめる気ですか

買い物の帰りに,ふと本屋に立ち寄った。
しばらく本を読んでいないことを思い出した。
面白そうな本をいくつかパラパラとめくったが,字を読んでも引き込まれなくなっていた。
本を閉じて,書棚を歩いていると,沢山の本がこちらを見ながらヒソヒソ話をしているようだった。
あの人,人間やめたらしいよ。もう本読めないんだって。

文章という,心に触れる芸術品を感じることができなくなったら,人間やめたも同じ。言葉があって初めて,言葉のない世界を自分なりに理解することができるし,感動することができる。

今使っている言葉は,言葉ではなくて記号であって,排出されることなくどこまでも心を蝕んでゆく鉛のような存在だ。

何とかしなければならない。

そう思って,書棚から漏れる陰口に対抗するかのように3冊の本を買った。

そのうちの一冊は,「愛するということ」エーリッヒ・フロム。

最初の20ページで,心を揺さぶられた。
僕は多くのことを忘れ始めている。
だがすべてを忘れてしまう前に,救いの手を差し伸べてくれる何かがある。

2 件のコメント:

ラピ さんのコメント...

フロムは私が大学時代最も影響を受けた著者の一人です。
特に、『自由からの逃走』はぜひ読んでみてください。
ちなみに、『愛するということ』もいい本だと思いますが、勘違い君にもなりやすい本だと思うので、気をつけて(笑)。

ikkei.kojima@gmail.com さんのコメント...

既に勘違い君になりかけていました(笑)
気をつけます。