2010/09/26

東京タワー



「めくらやなぎと眠る女」を買ったのは前橋に来る前だった。
結局読みきらずに,前橋を去ってしまった。
だけれども,これは短編小説だから,ほんの2,3,読んだ。しかも,数カ月おきに。

今日,ずいぶん久しぶりにまた1編読んだ。

どうにもこうにも何か物足りない時,真っ白い大きな紙に,どこまでも渦巻を書いてやろうかと思い立った。そしたら,ふと彼の本が頭に浮かんだ。それで,読んだ。

とてもいい文章だ。たったひとつだけ,引っかかる言葉があった。それが「東京タワー」。
彼の文章を読んでいると,なぜか頭に浮かぶのは海外のような場所。
どこかの絵で見たような,音が聞こえない世界での話のような気がする。
それも少し昔の。
それなのに,「東京タワー」という言葉が出てくると,何処か知った街にそんな場所があるような気がして。
そんなのも,薄ぼんやりと消えていってしまったけれど。

少し頭がすっきりした。
アートに飢えているのだろう。

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