2010/01/09

星新一

星新一のショートショート。幾度となく書いているけれど。
時折テレビでアニメになって流れている。
一瞬で星新一とわかってしまうのだから,星新一の作風というのはすごいと思うし,自分がはまってたのだということも同時にわかってしまう。


よかった。以前見たアニメの中には全然駄目だったものもあったが,今回はよかった。行間を,映像と間のとり方でうまく表現して,ぐっと深みが増していた。

僕はその映像を作った人に負けた。自分の頭の中で映像化された作品が,その人の実際に作り上げた映像作品に負けたのである。アニメーションという制約がないにもかかわらず,私は負けた。なんということだ。

しかし嬉しいのである。まだ見えていない世界があることを見せてくれる。あるということさえわかれば,一歩前に進める。ドアがあるとわかれば,外に出ようと思える。ドアから出るかどうかはわからないけれど。

小説というのは映像化した途端によさがなくなってしまう,とよく言われる。本のほうがよかった。映画を見てがっかりした。などとよくいう。

だが,我々は,原典が一番素晴らしいと思いこんでいるだけかもしれない。ひょっとしたら,原典を知っている自分を誇示したいだけなのかもしれない。

一人では気付けない事はたくさんある。自分を縛っているのは自分だ。

0 件のコメント: