2010/01/30

スキー

初めて一人で行ってみました。しかも新幹線ではなく上越線に乗って。
トンネルを抜けると,雪国だった。というあの有名な一節が上越線だったのかどうなのか検証したことはない。だが,鈍行に乗っていると本当に長い長いトンネルが続いて,ふっと音が消えた瞬間真っ白な世界が広がった。きっとこの体験を言いたかったのだ。

本当は,友人が連休に北海道スキーに誘ってくれていて行きたかったのだけれど,都合がつかなくていけなかった。1月も終わってしまうし,と思って,急に思い立って,一人でスキーにいった。

結構楽しかった。一人でも楽しいってことは,好きなんだきっと。

行きの電車は,家族連れがたくさんいた。固まって席を取れなかった家族が沢山いたみたいで,あちこちで家族が入り乱れていたし,わいわい騒いでいた。なんだかよくわからないが,妙に感動した。家族ってすごいなって。一人が寂しいというのではなくて,家族というものがもつエネルギーというのはなんなのだ,というような感じだ。あれは子供のエネルギーなのだろうか。

ケチりたくて,というよりも現金がないのにATMも見つからなくて,電車賃とリフト代以外は一円も,あ,お土産2個だけ買えたけど,それ以外は使わないようにした。温泉にも入らなかった。混んでいたのもあるけど,500円だったのに。

そんなわけでお昼はおにぎり,夕飯は帰ってから。
お昼をどこで食べたかというと,ゲレンデの端。景色が綺麗な場所があって,滑っている人もあまりいなかったので,端っこで板外して座り込んで,おにぎり食った。うまかった。人が消えて,音が消えて,遠く麓に見える道路を走っている自動車の音がかすかに聞こえる。不思議でならない。ゴマ粒程にしか見えない自動車の音が,なんで聞こえるのだろう。人の声なんてすぐ聞こえなくなってしまうのに。

友達とスキーにいったのはいつが最後だろうとふと思った。

そういえば,一緒に行っても一人ですべることが多かったような気がする。スキーにいっても,お昼の集合だけ決めるだけとか。そう考えてみると美術館でもそうだ。一緒に入って,でも別々に見る。だけれど,どこにいるのかはなんとなく気にしていて,先に面白いものを見つけると来るまで待って一緒に笑いながら見たり。

リフトに乗っている時間は,色々考えが浮かんでは消え,楽しい。

上から眺めているとスキー爺が結構滑っているのである。自分も白髪の爺になっても滑ってやると,心に誓った。リフト券安くなるし。
ところで白髪のスノーボーダーというのはいないのである。これは,スノーボードが流行ってからまだ20年くらいしか経っていないからなのだろうか。そのうち白髪のスノーボーダーが出てきたら,結構楽しい。ボーダーよ,勝負だ。どちらが白髪の爺さんになってもゲレンデに来られるか。

最近運動がしたいという思いが強くなった気がする。肉体的衰えへの恐怖なのだろうか。動ける内に動いておかないと,白髪の爺さんになってもスキーや水泳をガンガンやるスーパー爺さんという目標が達成できない。

スキーや水泳をやるスーパー爺さん。ああ,それって岩ちゃんだ。高校の体育の先生。


帰りの上越線は,ガラガラだった。1車両に3人くらい。闇の中を走っていく。皆寝ていて気配がしない。ふと外を見たら,満月。夜なのに,遠くの山が照らされていて影絵のように浮き上がっていた。川を渡ると,月が川面に見えた。みんなが寝ているのをいいことに,窓を開けて,雪積もる月夜に見とれていた。






0 件のコメント: