2009/08/25

どちらかというと村上だろう

世界陸上をちょくちょく見てしまった。

きっかけは風呂上がりにテレビをつけた時にたまたまやっていた女子走り高跳びだ。

フリードリヒ対ブラシッチ。
ぬぼーっとしたブラシッチの顔と,煩そうな白金髪のフリードリヒ。この対照的な見た目だけでもかなり面白い。

女子棒高跳び決勝をやっているとき,ちょうどボルトが世界新を出して競技場は沸いていた。集中できなくなったフリードリヒが2度失敗。3回目を飛ぶ前に口に人差し指を立てた。その瞬間,一瞬で,スタジアムから音が消えた。ジャンプ,成功,歓喜の渦。

スポーツが与える感動というのはすごいものだと,というか,なんというか単純に鳥肌が立ってしまった。それまでの2回は全然だめだったのに3回目突如成功するのもそうだし,一瞬で何万の観衆を黙らせるのもそうだし,歓喜の渦に巻き込むのもそうだ。

これ以来少しニュースを見るようになったところ,結構面白いのである。

人類の限界へ挑むボルト。その昔,世界の科学者が集まって,人類の出せる100メートル走の限界を話し合った。9秒6が限界だという結論が出た。しかし,ボルトは簡単に抜き去った。なんていう,いかにも「科学者」っていったい何なのだと思わせるような笑える話題もあった。

日本人選手も頑張っているようだった。

僕のヒットは村上のやり投げ銅メダルだろう。日本人初というのがやっぱりすごい。村上というと,なんとなく森三中の村上が頭に浮かんでしまって,そのあと村上選手をみると,なんとなく女に見えてきてしまうのだが実は男なのである。

それはともかく,僕はその競技中のコメンテーターの言葉とその後の村上の投擲に感動してしまった。コメンテーターは村上が投擲をする前,「村上選手はまだまだ実力が足りないのでメダルは取れないでしょう。だから,変に力んだりしないで,自分の力を最大限に発揮することに専念してもらいたいですね。」と言った。確かにそれまでの成績を見る限り,そのコメントは正しいように見えた。

ところが,直後の投擲で,突如スパーンっとメダル圏の距離をたたき出してしまったのである。コメンテータ,「おーーーーし,いったーーー。」

まさに「ぬお,いった」という感じなのである。「ありえねー」という感じというか,「へ?」という感じというか,予想外なのだ。

そのコメンテーター,投擲直後は入賞間違えなしと感動していたのが,メダル確定で感極まっていた。それはそうだよね。世代を超えて世界に挑戦してきたメダルが,目の前で決まったんだから。


いい意味で期待を裏切るというのが,スポーツのいいところなのだろう。エンディングは自分が決めるわけではない。

そんな風に思いました。


見逃しても,今はサイトで見返せる。やっぱり世の中便利になっている。
http://www.tbs.co.jp/seriku/

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