2009/11/23

譲り爪

少し前に、足の爪が云云かんぬんと話をしていたがその続きであります。

足の爪なんて人にとっては大したことがないわけだが自分にとってはおおごとで、なんといいますか、本人と他人の違いが大きく出るところなのではないかという気がします。体の先端、しかも足先という、自分の体の中でも外の世界に近い、末端部分でありながら、外界とは全く違う部分でありまして、個というのは外に対してグラデーションのように徐々に溶けだすのではなく、くっきりとした輪郭線をもって存在しているのであります。

爪の話に戻りますが、半分はがれたまま何とかへばりついていた外側の爪が遂に剥がれてしまったのであります。剥がれたというよりも、取れたと言ったほうがいい。ほろりととれました。焦って足指をよく見ると、剥がれた爪の下に薄い爪が7割方生えていました。

古くてかたい爪が瀕死の状態で必死に外からの圧力に耐えている間に、下では若い爪が一生懸命成長している。そして、完全に出来上がる前に譲る。7割方で送り出されるというあたりが憎いな、と思ったわけです。まあ、そんな教訓めいたことはどうでもいいわけです。

爪がサメの歯のように次々と生えてくるのには驚きました。デボン紀から受け継がれた動物としての生存術なのでしょうか。

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