2010/05/10

月と街灯

江戸の町では月が明るすぎるということで,街灯をつけることにしたそうだ。
街灯をつけたら,街灯がまぶしくて月がよく見えなくなって,お役人さんたちは喜んだそうだ。
月に大きな顔があったことに気付くものは,ほとんどいなかった。

街灯に照らされて,光の筋が星空に広がる。昼間は青空の邪魔しかしない電線が,夜になると夜空と同化する。だけれども,街灯はそれを許さない。糸電話みたいに人と人をつなぐ線を,これ見よがしに見せびらかす。

覚めた目で,星が瞬いている。

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