夜中にふと目が覚めることがある。悪夢を見ていたわけでもないのに。しかし,なにか夢を見ている。
ふっと目が覚めて,目が覚めてから目を開けるまでの時間,夢と現実がないまぜになっている瞬間。何が起きたかを言葉に置き換えて,その言葉が夢の中で現実になっていって,それをまた言葉に直して。
目を開ける。暗い部屋の中に,青白い電源ランプがいくつか浮いている。ああ,星が見たい。なんでそう思うんだろう。そう思いながら,星が見たい,と思った。
なぜ目が覚めたのだろう。きっと夢の中であふれる感情に耐え切れなくなって目が覚めてしまったのだろう。何か大切なことがたくさん浮かんでいた気がする。あわててメモを取って,朝起きると,よくわからないメモが残っている。
大事なことが大事だとわかっている瞬間は,ほんの一瞬。目が覚めてから目をあけるまでのほんの一瞬。
目を開き,口を開いて,それらは完全に消滅する。
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