前橋には広瀬川という小さな川が流れている。
ここのところ毎日広瀬川にかかるこれまた小さな橋を渡っていた。
ある日,橋を越えるとき海苔の匂いが漂ってきた。
ふと川の方に目をやると,一面がマリモのような丸い苔で埋まっている。
春が近づいて,何処かで大量に発生した苔が流れてきたのだろうか。
そう思って通り過ぎた。
川面に苔が敷き詰められたまま数日経った。
そんな中,「水がない!」と,たまたま橋を一緒にわたっていた人が言ったのである。
なんと私は水の上にマリモが浮いていると思っていたのだが,それは間違いだった。川の水がなくなって川の底の苔がびっしり生えた石が見えていただったのだ。
しばらく経ってまた水が流れ始めた。水がなくなる前に見た川とは,なんとなく違って見えた。
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