2010/04/09

星の数を数えるのと同じくらい

君は自分の人生について,又は夢についてどれくらい真剣に考えたことがあるんだい,と誰かに聞かれているような気がする。

僕は,そうですね,空にある星の数を数えるのと同じくらいでしょうか,と答えようとする。

目が良くても悪くても,空が綺麗でも汚くても,たぶん,数えきる前に飽きてしまうほどの星の数があるし,どこから数え始めていいのかも分からない。なんとなく明るい星を幾つか見つけて,そして,オリオン座みたいな知っている星座の形を再確認して,おしまいだ。いつもは。

それなのに,なぜだろう。急に空をみあげてしまったりすると,いつまでも何時までも空を見つめて,同じ星を何度数えているのかわからない位混乱しているのに,必死に星を探してしまったりする。

小学生の時には,星の色なんて習ったけれど,もうみんな白くしか見えない。なぜだろう。そんなことが頭をよぎった途端,星に色が生まれる。

黒い布に穴が開いているだけなのではなくて,闇の中で小さな星の一つ一つが自分の色に輝いている。そういえば,小学校で習ったのだった。空は写真のような一枚の板ではなくて,どこまでも永遠に続く空間。そんな当たり前のことが,とてつもなく恐ろしい発想に思えてくる。だって,今見上げたその空の先には,宇宙の果てまで遮るものが何もない。宇宙の中の太陽系の中の地球の中の日本の中のどこか小さな土地の上で空をみあげている優曇華の花みたいなちっぽけな僕が宇宙の果てを見つめているなんて,とんでもなくとんでもない。

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